各国の時差はどのくらい?時差ボケの症状と予防、解消方法とは? Q

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次の休みで海外旅行を考えています。前回海外旅行へ行った際に、ひどい時差ボケに悩まされたので、次回はできるだけ予防したいです。各国と日本との時差、時差ボケの予防方法および解消方法を教えてください。

時差ボケを防止するためには現地時間にあわせて行動し、昼寝などを控えましょう。

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時差ボケとは

時差ボケ(ジェットラグ)とは、数時間以上の時差の開きがある地域間を飛行機などを利用して短時間で移動した際に起こる、体の不調のことです。

時差ボケの代表的な症状としては、
・夜眠れない、昼間に眠くなる
・頭痛、疲労感、めまい、食欲不振

などがあり、いずれも海外旅行中に症状が出るとつらいものです。時差ボケは、大なり小なり誰でも経験するものです。特に時差の開きがある先への渡航では、ある程度の時差ボケは覚悟しておく必要があります。

この機会に時差ボケの予防方法と対処方法をマスターして、海外旅行中の時差ボケを軽減できるようにしましょう。

時差ボケ予防・解消方法(1) 時差の少ない国に旅行する

もし時差ボケに弱い自覚のある方なら、海外旅行の行き先を決めるのに、時差を考慮するのもひとつの手かもしれません。せっかくの休暇を使って海外旅行を思う存分楽しむためにも、できる限りの対策をすることが大切です。ここでは代表的な国の時差をご紹介します。

<ヨーロッパ方面>
イギリス・アイルランド・ポルトガル :-9時間
フランス・スイス・ドイツ・イタリア :-8時間
ギリシャ・フィンランド・トルコ :-7時間
ロシア :-6時間

<アメリカ方面>
ハワイ・・・-19時間
太平洋西海岸のロサンジェルス・サンフランシスコ :-17時間
ニューヨークなど東海岸 :-14時間
カナダのバンクーバー :-17時間
トロント、オタワ、ケベック :-14時間

<アジア・オセアニア方面>
南半球オーストラリアは一部を除いて      :+1時間
ニュージーランド               :+3時間
中国、マレーシア、シンガポール、バリ島(インドネシア)、台湾 :-1時間
タイ、ベトナム、カンボジア、ジャカルタ(インドネシア) :-2時間
韓国との間に時差はありません。

また、サマータイムにあたる時期においては、サマータイムの制度を導入している国や地域ではこの差が異なりますので注意しましょう。

時差ボケ予防・解消方法(2) 現地到着後の過ごし方のコツ

時差ボケを少しでも軽減するコツは、到着後、現地時間にあわせて活動することにあります。初日から現地時間で活動することで、翌日、遅くとも翌々日には解消してしまうのが一般的です。そのためにも、現地到着後は眠くても我慢して夜まで待つのが一番。夜になってから休むようにしましょう。

・機内の過ごし方でも工夫を
機内では時計を現地時間にあわせ、できる限りその時間にあわせて行動するとよいでしょう。睡眠や食事のタイミングをあわせることで、体を徐々に慣らすことができます。

しかし機内では、熟睡ができない方も多いですよね。安眠を引きだすためのお茶(ティーバッグ)や耳栓、アイマスク、チョコレートなどの甘いものなどを用意する、夕食でアルコールを頼むなどの工夫をし、初日にしっかり眠るようにして翌日以降に備えましょう。

時差ボケ予防・解消方法(3) 子どもや高齢者の場合

・子どものための時差ボケ予防
お子さんの場合、海外旅行のうれしさから夜中にはしゃいだり昼間に起こしても起きていられない、といったように大人のような現地時間にあわせた調整をするのが、なかなか難しい場合があります。そのため、お子さんは現地に着いたら昼間はできるだけ戸外へ出すなどして、夜にぐっすり眠ることができるように大人が工夫をしてあげましょう。

・高齢者のための時差ボケ予防
また高齢者の場合は、無理をさせることが身体への大きな負担となるケースもあります。睡眠導入剤などが市販で出回っていますが、使い慣れていなければさらなる体調不良を引き起こしてしまう可能性もあります。旅先での使用はなるべく控えるようにした方がよいでしょう。どうしても心配な場合は、容量を抑えたものを病院で処方してもらうとよいでしょう。

旅行中に時差ボケの症状が出てしまうと、せっかくの旅行もつらいものです。時差ボケをできるだけ軽くして旅行を楽しむためにも、対策をしっかりしておきましょう。

筆者の写真

情報提供 千葉 千枝子

淑徳大学 教授。中央大学卒業後、富士銀行入行。シティバンクを経てJTBに入社。96年に独立、運輸・観光全般の執筆、講演活動を行うほか、TV・ラジオにも多数出演。観光人材の育成に注力する。

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