海外旅行でのチップの相場と渡すタイミングとは? Q

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今度初めての海外旅行に出かけます。チップの習慣のある国に行くのですが、チップの相場と渡し方を教えてください。

チップとはサービスへの感謝の気持ちを伝える行為。あまり難しく考えずに自然な形でチップを渡すようにしましょう。

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チップの習慣のある国、ない国

日本にはチップという習慣がありませんので、いざチップの習慣のある国へ海外旅行に行くと、どうやってチップを渡したらいいか戸惑ってしまいますよね。この機会にチップの相場や、スマートなチップの渡し方をマスターしましょう。

・チップの習慣のある国
チップの習慣のある国としては、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどが代表的です。これらの国ではサービスを受けた人にとってチップを払うことは義務になります。レストランやタクシーでサービスを受けた際は必ずチップを渡すようにしましょう。

・チップの相場について
チップの相場は国により異なりますが、アメリカやカナダなどの北米圏では代金の10~15%程度を目安に支払うようにします。欧州圏ではイギリスが50セントから1ポンド程度、その他の国では1、2ユーロ程度が目安となります。

・チップの習慣のない国
英語圏でもオーストラリアやニュージーランドは、チップの習慣のない国です。これらの国では日本のサービス料のように代金に含まれているのが一般的ですから、別途、チップを払う必要はありません。 ただし、欧州、アジアの一部の地域ではもともとチップの習慣はなくても、ホテルなどで特別なサービスを受けたときに心付け程度を渡すケースがあります。例えば大きな荷物を運んでもらったなど特別なサービスをしてもらったときには、最小紙幣ないしは日本円で100円~200円程度をサッと手渡すようにするとスマートです。

欧州では1ユーロコインといったように、現地で流通している通貨で、小銭や最小紙幣を用意しておくと便利ですね。

レストランでのチップの相場と渡し方とは

チップの習慣のあるアメリカでは、レストランの利用時、代金の15%程度を相場としてチップを払わなければなりません。
チップの渡し方については、レストランではテーブルチャージが一般的ですので、席を立つ前に「チェック・プリーズ」と言って、テーブル担当のスタッフを呼ぶようにします。計算書がテーブルの上に置かれますので、チップを含む代金をトレイの上、ないしはホルダーにはさみ、再度、スタッフへ合図をして会計を済ませましょう。

・クレジットカード払いのときのチップの渡し方
クレジットカード払いのときは、レシートにチップ額を記入する欄があるのが一般的ですので、そこに自分で額を書き込みカードと同じサインをします。

もしもチップ額を記入する欄がない場合は、チップは現金でテーブルの上に置いて席を立つようにします。チップの金額を計算する際は、端数は切り上げるようにしましょう。 また、チップでもお釣りがほしい時は「幾らを返してください」とハッキリ言えば、喜んでお釣りをテーブルにもってきてくれます。

タクシーのチップの相場と渡し方とは

例えばアメリカの場合、メーターの表示料金の15%程度がチップの相場となります。 タクシーの降車時に、タクシーメーターの料金を確認後、料金とチップを一緒に現金で手渡しで支払うようにします。

・チップの渡し方のコツ
ドライバーに料金とチップを手渡す際、ドライバーがわかりやすいように最初に紙幣を一枚ずつ渡し、コインは最後に渡してあげるとよいでしょう。また、30ドルのメーター料金でしたらチップも含め、合計で34.5ドルを渡すことになるわけですが、サービスがよければ端数は切り上げて、35ドルを渡してあげるなどして感謝の気持ちを伝えるとスマートですね。

チップという習慣のない日本人にとっては、チップを渡す際初めは戸惑ってしまうかもしれませんが、ここで説明した基本的な流れとサービスをしてくれた方への感謝の気持ちを伝える、という心構えができていれば大丈夫。チップを渡すことも海外旅行のイベントの一つとして楽しみましょう。

筆者の写真

情報提供 千葉 千枝子

淑徳大学 教授。中央大学卒業後、富士銀行入行。シティバンクを経てJTBに入社。96年に独立、運輸・観光全般の執筆、講演活動を行うほか、TV・ラジオにも多数出演。観光人材の育成に注力する。

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